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ち層

透めいなはらわたの中で
みみを澄ましている

あなたのいち部は いつも
あるべきところにない

混ごう列車からとびおりる
とびおりる景しきがさきにあって
だから飛びおりるときは
いっしょだった

きょ大なふあんを巻きこむまえに

あなたの方角からあい図がながれつき
しなやかにここちよく とびおりる
それがなつでもあきでも 冬でも
はるだとしてさえ
 
はらわた しんけいけい
かこうけっちょう きんにく
にゅうぼう こうがいへんとう 
あなたの影をたどってゆけば
いずれそれがあい図となり

だからとびおりる


存在のけはいがなく
はらわたのやく動がなく
座ひょうのこ定がなく
かしゃに巻き込まれるどくだみの
つんとしたしぶきが夏の景しきとなり
まもなく眼きゅうをおしあげるけれど
それでも ただひとりではなく

しゃ輪のおとがとおざかるのを待って
いろとりどりのち層に溶けこんでゆく
あなたのたいはんは いつも
あるべきところにあった

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